■「協働のたね」について
こんにちは、協働コーディネーターの森です。日々センターには、様々なご相談が寄せられています。その中で時に、複数の団体さんが関わり合うことを私たちはお手伝いしています。お互いが日々取り組んでいること、困っていることなどを話す過程で、新たな気づきや具体的に協力し合えることを見つけられることがあります。そんな「協働のたね」をご紹介します。
■ご相談者:横浜市教育委員会
横浜市の学校には地域と学校の架け橋となって、地域と学校をつなぐ「学校・地域コーディネーター」(以下「コーディネーター」という。)という方がいます(R4年1月現在370校)。地域で活躍されている方・PTAや町内会の方等様々な方が学校長の推薦のもとコーディネーターとなり活躍されています。地域と学校が一体となって子どもたちを育めるようになるには、教職員自身がその協働についての学びを深めることに加えて、コーディネーターの方の研修の場が大事になってきます。協働体制の理解、教職員との連携、学校目標の理解、地域の方の得意分野の理解、地域資源を知る等その学びの内容は多岐にわたります。
コーディネーターや教職員が地域と更に協働しながら子どもたちを育むことができるよう、その研修内容を「協働」を軸に考えたいと横浜市市民協働推進センターにご相談をいただきました。
■ご相談を受けて
いただいたご相談をもとに、約1年をかけて定期的な打合せと検討を重ね、令和3年5月と6月に「教職員及び学校・地域コーディネーター合同研修」の中で、協働についての講座を組み立てさせていただくことになりました。研修資料作成において、協働推進センターとしても協働のポイント、協働の楽しさ、横浜の地域資源の整理の機会になりました。
研修では例えばこのような内容をお伝えしました。
- ・具体的なつながり先だけでなく、具体的にどのような言葉を使いながら自分たちを知ってもらうとよいか、具体的なフレーズ等を紹介。また、つながり方やそのコツについても整理。
- ・ケアプラザ・区民活動センター・区社協・コミュニティカフェ・地域子育て支援拠点・様々なNPO等相談できる場や連携できる先をリストアップ。
- ・学校と地域ケアプラザとの連携の事例を実際担当してきた教員(現指導主事)にお話しいただき、つながる楽しさやゆるいつながりがいかに大事かをお伝え。
※講座で使用した資料の一部です
■実施をしてみると・・・
実施してみると、地域の施設や市内団体を初めて知ったという声や、コーディネートしながらのたくさんの悩みをお聞きしました。地域と学校をつなぐと一言でいっても、学校側のニーズをしっかりとらえないと困難ですし、逆に地域の方の力も活かされて関わって嬉しいという接点づくりもしないと長く続きません。研修後にもうけられた交流会ではコミュニケーションの取り方やその工夫等、互いに共有し合っていて多くの知恵が既にあることも実感しました。
■今後に向けて
学校・地域コーディネーター皆さんの強みが活かされながら、ケアプラザ等の地域とのつながりを増やしたり、様々なテーマのNPOや企業とつながることで、学校現場も変わっていきます。学校管理職や教職員の方も同じように地域とのつながりをつくることで、更に子どもたちの学びが深まるでしょう。
そうした学び合いの場を、学校・地域コーディネーターの皆さんご自身が実行委員会をつくる形で横浜では「Yokohama地域学校協働活動フォーラム」を通算9回ほど開催してきたそうです。2021年末にも開催され、その伴走もさせていただきました。こうした自主的な学びと交流の場をつくられていることは素晴らしく、横浜の学校・地域コーディネーターの皆さんの層の厚さと力を感じました。
今回の研修では「糸口が見つかった」「動き出そう」「楽しもう」「ここに相談しよう」と具体アクションにつながるような前向きな言葉を聞くことができました。横浜市市民協働推進センターとして、地域の様々なコーディネートをしている方々へのサポートも今後更にできるよう事業をブラッシュアップしていきたいと思います。