イベントレポート

【開催レポート】協働ステップアップセミナーVol.2 「違い」を前提に“協力”を生み出すテクノロジー

バナー 開催レポート セミナー②

7月23日(木)、協働ステップアップセミナーVol.2を開催しました。
地域課題や社会課題に取り組む中で「協力してほしい相手がいるけれど話がかみ合わない」「むしろ反対されたり関係がこじれてしまう」といった悩みに対して、互いの違いを前提にしながら、協力を生み出すための考え方と実践方法を学ぶことを目的に、特定非営利活動法人協力アカデミー代表理事の松原明さんを講師にお招きしました。
当日はNPO法人や任意団体、民間企業、行政など、さまざまな立場で地域活動を支援・取り組んでいる方や今後の連携・協働を模索している方々にご参加いただきました。

開催概要
【日時】2026年7月23日(木)13:30~16:30
【場所】横浜市市民協働推進センター スペースAB
【講師】特定非営利活動法人協力アカデミー 代表理事 松原 明 先生
【プログラム】
 ・レクチャー
 ・グループワーク
 ・参加者全員の感想

画像1 全体の様子

Ⅰ レクチャー:「相利開発」とは

松原さんから、今日の一番のポイントとして「協力のキモは相利(そうり)開発」というお話がありました。
ある活動によって目標が達成されたときに参加者それぞれが得られる利益を「相利」と呼びます。
相利はあるものではなくつくるものです。
課題解決に取り組むため、多様な関係者に協力してほしい時に、その活動がいかに大事か、正しいかを説得したり、手伝いをお願いしたりするのではなく、「この活動を一緒にすればあなたの困りごとが解決するので一緒にやりましょう」と提案し、参加者それぞれが利益を得られるようにしていくことが「相利開発」です。

画像2 講師の松原さん
講師の松原明さん

事例として、地域猫活動に見る「相利開発」が示されました。地域猫活動とは、「地域の問題として飼い主のいない猫を住民やボランティア、NPOなどが共同管理することで、最終的にそのような猫をなくすことを目標とした活動」です。地域の人たちの合意を得て、猫の餌やり、糞尿の処理、不妊・去勢手術などをNPOが行い、関係者が協力します。(ちなみに横浜が発祥で東京のNPOの活動を東京都がモデル事業化し全国に広がったそうです。)

活動の参加者はNPOや住民、町内会長、マンション管理人、保健所(行政)など多様です。参加者の目的も、NPOは野良猫の救済、住民は糞尿の被害減、町内会長は町内会のトラブル減、マンション管理人は居住者のクレーム減、保健所は殺処分の減とそれぞれ異なります。
しかし、NPOは活動の主体、住民は見守り、町内会長は話し合いの場の設定、マンション管理人は居住者啓発、保健所は住民啓発と、各自が役割をもって協力して活動することで、それぞれが目的達成という利益(=相利)を得られます。

Ⅱ グループワーク:「相利評価表」の作成

相利開発のために役立つフレームワークが「相利評価表」です。

画像3 相利評価表
相利評価表

表にある「問題」や「目的」(目的は問題の裏返し)、「役割」、「相利」は参加者ごとに異なりますが、「目標・活動」の欄は共通です。
この相利評価表を用い、参加者は4~5人の計8グループに分かれて、グループワークを行いました。

はじめに「東京都の障害児の親の会」の事例の相利評価表の空欄を埋める個人ワークを行い、隣の参加者と説明しあいました。
講師からは「活動の軸を決めることが重要」とのお話がありました。

続いて、グループごとに「相利評価表」を作成しました。
まず自分の所属や氏名、仕事内容、問題、目的を付箋に記載して自己紹介し、活動の軸(目標・活動)を決めていきながら、相利と役割を確認し、表を作成していきました。各グループは初対面の多様な参加者で構成され、どのグループも時間ぎりぎりまで熱心に話し合っていました。

相利開発表が完成した後、2つのグループごとに互いに発表・意見交換をし、最後にAグループが全体発表をしました。Aグループはマンション管理組合理事長、コミュニティカフェ運営者、介護関係(行政)、農業・里山を軸にしたまちづくり(行政)というメンバーで、相利開発として、マンションのパントリーで毎月マルシェの日を設けて各主体が活動する「いきいきマンション活動」が発表されました。

画像8

最後に参加者全員から一言ずつ感想をもらいました。
・活動の軸を見つけるのが大変だったが、見つかった後のアイディア出しは面白かった
・活動の場を決めた後はスムーズにいった
・支え合いの形に気づいた
・共通点ではなく、コアになることを見つけるという手法を学び、協力の概念が変わった
・合意形成が大事と思っていたが、相利が大事と知り、知見が広がった
・相手にはメリットはないと自分で決めつけていたことがわかった
・職場でも活用したい
・考え方が整理できてとても参考になった
・パズルのようで面白かった
多くの参加者の気づきにつながったことがわかりました。

画像9

横浜市市民協働推進センターは、今後も皆さまに役立つセミナーや組織を超えてつながる場の提供をしてまいります。当センターが主催するセミナーやイベントの情報は、随時HPやSNS、メールマガジンに掲載しております。今後も皆さまのご参加を待ちしております。

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