第2回市民協働相談会 開催レポート
8月27日(日)、第2回市民協働相談会~今の時代の地域コミュニティ~がスペースABで開催されました。
私たちが住み暮らす「地域」は、色々な人や団体が関わっています。自治会町内会・地区社協・商店街・PTA・老人会・子ども会・NPO…等々。ご近所同士が仲良く暮らしている地域もあれば、隣に住んでいる人がどのような人か知らない、ということも当たり前にある現代。先に挙げた、地縁団体やNPOを含むテーマ団体も「次の担い手がいない」という課題を抱えることが多い中、今の時代ならではの地域コミュニティについて、協働コーディネーターの鈴木智香子さん、ゲストの加藤彰彦さん、そして参加者の皆さまとともに考えました。
開催概要
【日 時】2023年8月27日(日)14:00から15:45【テーマ】今の時代の地域コミュニティ
【場 所】横浜市庁舎1階スペースAB
【協働コーディネーター】鈴木智香子さん
【ゲスト】加藤彰彦さん(沖縄大学名誉教授 田谷長生会(老人クラブ)会長)
加藤さんはかつて、教員として子どもたちと関わっていましたが、一人ひとりには個性があってみんな素晴らしいのに、「成績」として優劣をつけ、評価しなければならない立場に窮屈さを感じたといいます。その後、横浜の寿のまちで市のケースワーカーとして活動をはじめます。「行政職員」の枠を超えて、地域の一人ひとりと他愛もない会話をしながら、それぞれの人の生活に寄り添いかかわってきました。
そうした経験から、一人ひとりにはストーリー(生きてきた背景)があり、相手のストーリーを知ることで、自然と心と心が通じるという考えが加藤さんの軸となっていきました。
加藤さんが自身のこれまでを語ることで、地域コミュニティのベースとなる“「私とあなた」の関係を築くこと”の大切さが伝わってきました。
会場には第1回の市民協働相談会に参加した方々や、今回から初参加の方もいらっしゃいましたが、加藤さんから語られる一つ一つの単語を聞き逃すまいと、頷きながら聞き入っていた表情が印象的でした。
そんな会場の皆さまとの交流では、鈴木智香子さんのコーディネートのもと、「怒涛のスピードで流れているこの時代で、ゆっくりを大事にするにはどうしたらいいでしょうか」「地域活動の意欲の好循環を持続可能にするのに大事なポイントは?」などの事前に寄せられた質問が改めて参加者から投げかけられました。
効率化し、スピードが求められる現代において、人との関係性も短い間に作らなければならない場面が増えています。そうした現代の特性が、仮面を被り上辺だけのお付き合いになることにつながり、他者との関係性を作ること自体への抵抗につながっていると感じます。
そんな「今の時代」に、敢えて地域のつながりを考えてみることは、何も「昔はよかったよね」というノスタルジーで終わる話ではなく、加藤さんは「高次元での回復」という言葉で表現されていました。今回集まった参加者や、横浜市市民協働推進センターと関わる皆さまは皆、今の時代ならではのコミュニティの在り方を模索している方々です。加藤さんの「私とあなたの関係」という今も昔も共通するエッセンスをベースに、引き続き今の時代の地域コミュニティを皆さまと一緒に考えていければと思います。
第3回市民協働相談会は、「私たちが『防災』から学ぶこと」10月27日(金)開催予定です。
詳細は横浜市市民協働推進センターのホームページやSNS、メールマガジン等、お知らせからご確認ください。