横浜市市民協働推進センター

取り組み紹介 【EVENT REPORT vol.2 】 対話&創造ラボ 令和4年度|地域や社会を良くするプロジェクトの作り方

令和4年度_対話&創造ラボ第二回のイベント風景
2022.9.20 イベントレポート 対話&創造ラボ
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EVENT REPORT VOL.2

2022年7月19日火曜日に横浜市庁舎にて開催された、横浜市市民協働推進センターが行う市民参加型の対話のイベント【対話&創造ラボ】。このイベントは、さまざまな主体の交流・連携から、新たな知を生み出す場として昨年からスタートしています。
今年度は「地域や社会を良くするプロジェクトの作り方」をテーマに、さまざまな実践者を交えて“協働”の価値とその魅力を座談会スタイルでお届けしています。
今回はその第二回、森祐美子さん、田川尚登さん、荒尾元彦さん、田村篤史さんによるお話をレポートします。


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モチベーションの維持の仕方

後半は座談会のスタイルで、モデレーターの森川からいくつか質問を投げさせていただきつつ、会場の方々からのご質問、登壇者同士が気になる点を質問しあいながら、対話の時間が行われました。

その中で、会場の方からのご質問で、プロジェクトを実践していく中で、大変なことも多いはず。それぞれの皆さんのモチベーションの保ち方いついて、ご質問がありました。

森さん:  私たちの活動の「ウェルカムベビープロジェクト」ですが、活動をはじめてもう7年にもなります。そうなると、背守りをもらうのも“3人目なんです!”と言っていただくシーンが出てきました。その方が「子どもを産むこと、育てることが嬉しいんです。」という言葉を聞いたり、カフェにいくとホッとした表情でお客様と地域の高校生や大学生たちと交流している日常を見たり。
 根本的に人と何かを作っていくことが好きだから、大変と思ったことはないんです。うまくいかないこともあるけど、それを上回ることがある。なので、日々楽しくやっていますね。

座談会風景

田村さん:  僕の場合は、まずは自分一人で出来ることとしてはじめました。プロジェクトをいきなり大きくするのではなくて、おいおい大きくしていければいいと。いきなり大きな負荷をかけて、無理をしないことも大事だと思います。また、自分の子どもたちの世代になったときに、この街がどのようになっているといいのか、どんな物を残していきたいのか、今やっていることが、次の世代に繋がっていくことを考えると、頑張れる気がします。

荒尾さん:  自分の場合は、直接のお客様は中小企業の方々なんです。日本の企業の99.7%が中小企業と言われています。中小企業が変われば、日本が変わる。そう思って、QUESTION・京都信用金庫が担えることを、モチベーションを持って取り組んでます。また身近なモチベーションで言いますと、地域の事業者の方々からいろんな相談を貰います。そこで、すぐ解決できるものあれば、できないものもある。でも、そういった小さな成功体験の積み重ねが、喜んでいただけるので、取り組めていると思いますね。

森川:   今年度の対話&創造ラボ、第一回でも登壇いただいた岡部さんが「まちづくり・エリアブランディングなどのに関わる中で、常に意識していることとして、イベントなどを実施して、その日の成功や失敗で一喜一憂しないことも大事だなとお持っています。街の歴史から捉えると、一日の出来事は100年の軸で考えたら、一瞬の点であって、あまりそこに喜んだり、悲しんだりしてもしょうがない。活動をしっかり継続していくこと、やり続けることの方が実はすごく大事だと思います。」というようなことをお話しされていました。今日のご登壇いただいた皆さんのコメントからも、共通したエッセンスを感じますね。

市民活動のはじめ方|最初はみんなお金がない・お金の回し方について

座談会風景田川さん田村さん

続いての質問はこちら。「これから市民活動を始めようとしています。皆さんはすでに事
業が回り始めているところだと思いますが、立ち上げ初期のお金について、教えてください。」

田村さん:  先程の活動紹介でもお話ししましたが、”小さくはじめる”。僕の場合はちょっとビビリだったこともあり、いきなり事業としてやっていけないと思っていたので、ご縁のある企業さんで、人事・採用のことでお役に立てるなあと思い、週3契約社員で入社、空いている週4でマイプロジェクトとして力を入れていきました。徐々にシフトしていきましたね。

森さん:  私もとてもお恥ずかしいお話しなのですが、当初作成した事業計画書では月次で何万と収益が上がる計画を立てたんですが、結果は月給3千円からスタート。いかに売り上げを立てることが難しいか、支出がすぐに出ていくのか、これまで経営をしたことがなかったので、厳しさを思い知りました。
 私の場合も、田村さんと同じくビビリなこともあり。いきなりお店を構えるということはせずに、まがりさせていただいて、売上の2割を家賃として払う形でお店をスタートさせました。その分、ソフトなど、自分たちがやりたいことに注力して、2年後に実際に店舗を借りる決断をしてスタップアップしました。

田川さん:  私の場合もきっかけは、看護師の方の遺贈でした。その彼女の想いと、私の思いが一致したことで、動き始めたプロジェクトです。共感を募って、年間の賛助会員になってくださいとアピールさせていただいて、地域課題でもあると思いますので、自治体に話に行ったり、マスコミが取り上げてくれたり。
とにかく、我々の思いを知ってもらうために、広報やPR、アンバサダーになっていただいたり、発信をしていきましたね。

協働をコーディネートすることの難しさ

座談会風景森さん荒尾さん

続いての質問はこまちぷらすの森さんから、京都信用金庫の荒尾さんへのご質問。

森さん:  QUESTIONでは、さまざまな人たちが出会い交流する機会がありますよね。あの施設でコーディネーターになるということは、すごく大変なミッションなのではないでしょうか?私たちもカフェ運営を通じて、さまざまな情報が集まってきて、コーディネートしていくのはとても大変です。
 そのあたりのコツ、どんな小トロやり、逆にこんなことはやっていないなどあれば教えてください。

荒尾さん:  そうですね。普通の支店の職員が急にQUESTIONに配属になることもありますし、コワーキングの運営や貸し会議室の運営もやったことがない、そういう中で考えながら仕事をしているのですが、ポイントとしては、一人で解決しない、常にQUESTIONにいる他のスタッフに相談してアイデアを聞く、アドバイスをもらう、みんなで寄ってたかって解決をしていく、ということをやっています。
 
そのほかには、ビジネスマッチングの掲示板もあるので、全職員が見てくれて返事をしてくれる場なので、お困りごとに対して「こんな会社さんがあるよ」と教えてくれる。千五百人のスタッフが見てくれているので、そういう仕組みも生かしています。

森さん:  いいですね。京都信用金庫さんのスタッフのように、これまでと違った、いろいろな業種の方が、コミュニティマネージャーのような役割として活動したら、人と社会が繋がり直していける気がしますね。私たちのようなカフェじゃなくても。

田村さん:  めちゃめちゃいいですね。リンクワーカーという職業がイギリスにあって、向こうの薬剤師さんは薬の処方だけではなく、社会的処方と呼ばれる“その人にとって必要な情報を伝えること”も仕事になっているそうです。

薬局は地域にたくさんあって、それと同じくらい信用金庫もありますし、小学校で言うと京都の小学校の2校に1支店くらいあるのが、京都信用金庫なんですよね。これだけ地域に解像度高く繋がって窓口があると、色々なことができると思うんです。

横浜市さんでも、区役所の単位よりもっと精密な単位で市民の暮らし・状況を知れる場があって、各エリアの地域課題を解決できる市民団体やNPOや企業と繋げられたら、もっと暮らしやすい街になりますよね。

全ての市民がコーディネーターになっていく、そんな社会がいいですね。

座談会の様子|会場からの質問

それぞれの想い|地域を良くする市民活動をのはじめ方

たくさんのキーワードに触れることができた第二回「対話&創造ラボ」。

実践者のリアルな声に触れることで、これから地域をより良くするための市民活動にチャレンジしたい参加者の皆さんと、深い対話の時間を過ごすことができました。

どんなに数多くの方々を巻き込む協働プロジェクトも、最初は一人の想いや小さな課題感がきっかけになっていること、その気づきをどう社会的なものにしていくのか、今日の対話を通じてヒントになるメッセージを数多くお届けすることができたと思います。

ぜひ動画で全ての座談会の様子をご覧ください。


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