取組紹介

【訪問レポート】多目的拠点「いこい」の取組―NPO法人お互いさまねっと公田町団地(栄区)

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多目的拠点「いこい」の取組

JR東海道線「大船」駅からバスで15分ほどの小高い丘に位置する「公田町団地」の真ん中に、「NPO法人お互いさまねっと公田町団地」が運営する多目的拠点「いこい」があります。
ガラス張りで明るく解放感があり、スタッフ手作りの木製テーブルや各所に置かれたかわいらしい小物類など、訪れる人を優しさと温かみで迎える空間が広がります。

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団地内のスーパー・コンビニが撤退し、買い物が不自由になった住民向けに、新鮮な肉や魚、野菜、パンやお弁当が購入できる「あおぞら市」を毎週火曜日に開催しています。
また、日常的に軽食の提供・トイレットペーパーや洗剤などの日用品やお菓子類の販売も行っています。
地域の福祉施設手作りの焼き菓子はとても人気があるそうです。
スタッフの地元から取り寄せるお米を楽しみにしている住民も多いとか。

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センターの職員が訪問した日は、あいにくの強い雨。悪天候にも関わらず、「いこい」には住民の皆さんの活気であふれていました。
集まった住民同士、住民とスタッフで交わされる日常のたわいない会話。この交流を目的に訪れる方も多くいらっしゃるとのこと。
高齢化が著しい公田町団地において、「いこい」は買い物支援に留まらず、住民の相談や見守り支援の役割も担っています。
日常的なコミュニケーションを大切にし、時には住人の窮地を救った事例もありました。
1人暮らしの高齢男性の姿を見かけなくなり、心配したスタッフが自宅を訪問したところ男性が体調不良で伏せていたことがわかり、病院へつなぐことができたそうです。

「NPO法人お互いさまねっと公田町団地」は、2021年度内閣府「社会参加章」を受章されました。
「主体的に社会とかかわりを持ち、現に積極的な社会参加活動を行い、今後も継続的に活動が行われると認められるグループ、団体等であって、高齢社会における高齢者の社会参加活動として広く全国に紹介することがふさわしいと認められるもの」に授与される章です。
「NPO法人お互いさまねっと公田町団地」は、地域の活性化と住民が安心して生活が出来るようなまちづくりに10年以上寄与されたことが評価されました。

10年以上続くこの取組ですが、「財源の確保」「担い手不足」など、課題を抱えていることも事実です。

さまざまな課題と向き合いつつ、UR(都市再生機構)や近隣ケアプラザと連携し、
「地域の居場所として、できる範囲で、できることを続けていきたい」
と、代表の有友さんはおっしゃいます。

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買物だけでなくコミュニケーションを求めて「いこい」を利用する住民の皆さん。そして、住民の皆さんの笑顔を糧に、支えるスタッフの皆さん。
「お互いさま」の心を持って地域の拠り所であり続ける「いこい」の取組は、今後も続きます。

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