取組紹介

【協働のたね Vol.1】~持続的なフードパントリー運営の実現に向けて~

オンライン会議の様子

「協働のたね」について

日々センターには、様々なご相談が寄せられています。その中で時に、複数の団体さんが関わり合うことを私たちはお手伝いしています。

お互いが日々取り組んでいること、困っていることなどを話す過程で、新たな気づきや具体的に協力し合えることを見つけられることがあります。そんな「協働のたね」をご紹介します。

相談者:NPO法人 フードバンク浜っ子南 下山さん

NPO法人 フードバンク浜っ子南さん(以下、浜っ子南さん)は、2020年6月に活動を開始し、今年NPOを4月に設立しました。感染症の流行により、休業、休職、雇い止めに直面し、困難を抱えている人たちが更にひっ迫した状況に追い込まれている状況を前に、「安心が幸せにつながる食支援ネットワーク」の構築を目指している団体さんです。

(設立趣旨より)==================================================

「いま、私たちの社会には「食べ物を十分に食べられない」「育ち盛りの子供たちに十分食べさせてあげられない」苦しみが増大しています。新型コロナウィルス問題が収束しても困窮は続くことでしょう。こんな時こそ、人と人が助け合う場所を社会に一つでも多く作りたいと考えます。食べられる安心が幸せにつながることを信じて、そのための支援をお届けすることで社会のセーフティネットの一部になれることを目指しています」

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NPO法人 フードバンク浜っ子南さんのホームページ

フードバンクの様子

フードバンク活動について

そんな浜っ子南さんでは、特にひとり親家庭を対象に「フードバンク」活動を行っています。最近「子ども食堂」の知名度が上がっているようですが、「フードバンク」、ご存じですか?

フードバンクとは、食品ロス(本来食べられるにも関わらず廃棄されている食品)の削減と、食品を通した社会貢献に繋がる大事な取組です。各家庭や企業から食品を回収し、食品を必要とする方々や施設などに届ける役割を担っています。横浜市内からたくさんの企業や団体から定期的に寄付がされていて、それらを配布できる状態にして届けているのです。食品配布会を、浜っ子南ではフードパントリーと呼んでいます。

協働のきっかけ

今回下山さんからは、「だんだん活動が拡大してきたけれど、配送にとても苦労していて…車で配送できるボランティアさんを見つけるのが難しいんですよね。何かいい仕組みをつくりたいと考えているんですけど・・」と。

実はNPO法人立ち上げ時から、センターにご相談されていた下山さん。

そこで市民協働推進センターは、「コミュニティ冷蔵庫」の取組をしている協働コーディネーターの森さん(認定NPO法人こまちぷらす)、認定NPO法人横浜移動サービス協議会さん(以下、移動サービス協議会さん)にお声がけし、情報交換会を開きました。移動サービス協議会さんは、横浜市を中心に、高齢や障がいのために外出が難しい方をサポートする移動サービスのネットワークを構築しています。移動サービスの仕組みの中に、フードバンクの配送を取り入れられる可能性を模索してみました。

車いすを車に入れる様子

話をしてみると・・・

浜っ子南さんでは、まず食材を寄付してくれる団体企業、個人宅に食品を受け取りに行き、港南区内のレンタル倉庫に集めています。それらを、配布する日に参加人数に応じて会場へ運んでいきます。つまり、食品の運搬がフードパントリーごとに2回発生しており、月に8回運搬しているとのことでした。たしかに、大量の食品が集まって嬉しい一方、月8回の移動はとても骨が折れそうです。「できれば大きな車を持っていて、使える方がいたらいいな」という願いがありました。

聞き手からは、

・フードパントリーを利用する方に当日、配布のお手伝いをお願いしたらどうでしょう

・もし平日昼間の子どもが学校にいる時間帯であれば、お母さんたちの力を借りられるのでは?

・車を使うボランティアなら、保険や保障について心配しないよう、先に伝えられたらいいと思う

・フードパントリーの対象となる方を支援する団体と、手を組むのはどうか

・地域をぐるぐる回っていて、地域と繋がっている人は誰か。その人を見つけ、手を借りるのはどうか

などなど、様々なアイディアが出てきました。

これから・・・

浜っ子南さんは、意見交換ができてとても嬉しそうな様子でした。今後は、今日の話に出てきた現状について頭に入れ、さらにそれぞれで方法を考えていくこととなりました。

また、移動サービス協議会さんから「移動支援に関わっている方が、どんな風に食支援に関心を持ってもらえるかな。広報紙を毎月発行しているので、ボランティア募集のチラシを同封できますよ」と提案がありました。(ありがたいですね!)まずは秋口に、チラシを配布することとなりました。

浜っ子南さん、応援しています!

【後日談】その後・・・

その後、下山さんからご連絡をいただきました。移動サービス協議会さんから、運搬ボランティアに関心を持ちそうな方をご紹介いただいたそうで、見学などを経て、2名の方がボランティアとしてお手伝いくださることになったそうです!よいご縁が結ばれてよかったですね。

精力的に、多くの団体さんと手を取り合って活動を進めている浜っ子南さん。これからのご活動も応援しております。

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