
+ONE(プラスワン)プロジェクト 共有&体験会 開催レポート
3月18日(水)、「+ONE(プラスワン)プロジェクト 共有&体験会」を開催しました。

横浜市市民協働推進センターは、2025年度から「+ONE (プラスワン)プロジェクト」として「皆がつくる安心・安全なまちづくり」に取り組んできました。
地域の皆さまとともに安心・安全なまちを目指すために、関連団体へのヒアリングや、地域でのワークショップ・意見交換などを重ね、地域で実際にご活用いただけるプログラムとなるよう検討と改善を進めてまいりました。
まずは、鶴見区で「犬」を切り口にコミュニティづくりをしているつるみ犬部さんにご協力いただき、活動の一つである「わんわんパトロール」の視点を参考にしながら、日常生活の中で地域を“見守る”人をどう増やしていくか?について、「○○ながら」という「+ONE(プラスワン)」の視点で、気軽に楽しく地域活動(見守りの活動)に参加するための要素を探りました。
参考:【開催レポート】いつもの活動に+ONE(プラスワン)~楽しく、気軽に、まちの安全・安心を広げるための交流会~ | 横浜市市民協働推進センター
鶴見区での意見交換をもとに、今度は西区市民活動支援センター「にしとも広場」で、西区にお住まいの方々やまちづくりに関心のある学生、企業の方などとともに「安心・安全なまちづくり」を深堀りしました。地域課題を解決していくための糸口を住民の皆さまとともに多様な参加者が検討し、実践していくための「課題解決プログラム」としてプログラム全体の構成を整え、開催しました。
参考:【開催レポート】気軽に!楽しく!まちの安心・安全を考えるワークショップ in にしとも広場 | 横浜市市民協働推進センター
今回はそうした+ONEプロジェクトのあゆみを、関係者の皆さまや地域活動を支えている皆さまに向けて共有するとともに、地域活動を支援されているコーディネーターの皆さまや関わってくださった皆さまにご協力いただき、この「課題解決プログラム」をさらにブラッシュアップするため、現場でのご経験に基づく助言をいただく場を設けました。
当日は10人が参加し、地域づくりの実践をされている方や、学生の立場から地域と関わっている方、ワークショップデザインに関心のある学生などが集まり、それぞれの立場から意見を出し合う、活発な交流の場となりました。

「課題解決プログラム」の流れは主に、①アイスブレイク、②課題(テーマ)についてのインプット、③テーマに基づき、自身の地域への思いをアウトプットするワーク、④ワーク(出た意見)の共有、⑤ワークの整理(グループピング)・ビジョンの共有となっていて、ファシリテーターの動きなどを含めて一つずつ意見を述べ合いました。
①アイスブレイク
講義やワークショップの場など、人が集まる多くの場面において、アイスブレイクは取り入れられています。その場に居合わせた参加者同士がその後のグループワークなどで自身の考えを言いやすくするための大切な時間といえます。
主な意見:
・それぞれの好みがよくわかり、かつ誰もが経験したものだと共有しやすい(例えば給食で何が好きだったか等)
・一日の過ごし方などを共有すると人となりがわかる
・自己紹介を兼ねたアイスブレイクがいいのでは
など、様々なアイデアが出ました。
その会の始まりの部分で、いかに距離を縮めることができるかがポイントで、そのためには相手を身近に感じるためのしかけが必要だということが改めて浮かび上がりました。「経験したこと」などを分かち合い、相手と自分との接点を見つけたり、意外な一面を知り第一印象が変わったりといった機会をどう作るかが、アイスブレイクのカギとなりました。

②インプット(テーマ:安心・安全なまちづくり)
この「課題解決プログラム」は、その地域の課題ごとにテーマが異なる想定です。まずは、そのテーマの基本的な情報を参加者が知る必要があります。これまでの知識に加え、地域の現状や行政の取組などの“今まで知らなかったこと”がプラスされることで、新たな視野でそのテーマを実践することができます。また、そこに居合わせた参加者がまず足並みを揃えるという意味でも、情報のインプットは重要です。
インプットの具体的な内容としては「その地域の現状(人口や特徴、意識調査など)」、「そのテーマに関する地域の取組の現状」「行政の取組の現状」などを想定しました。
ただ、“つまらない講義”になってしまうのは避けたいところ。いかにその後の行動の意欲に結びつけるかという課題感がありました。
主な意見:
・クイズ形式がよいのでは?全国と、この地域を比較して示すなど
・安心なネタを話す。具体的に参加者がイメージできるお店を例にして出すなど、皆が共有できる情報を出す
・集合住宅の住民はデータを示したら関心が高まった
など、日々の実践の中での具体的な例を出しながらアドバイスをくださいました。
自身の地域について改めて数字などのデータやグラフで表すことは、住民の地域への関心の高まりにつながったり、理解が深まるのではないかという意見が多くありました。共有方法をクイズ形式にするなど、その中で「楽しさ」「おもしろさ」の工夫を取り入れることが重要だという点を再認識しました。
③自身の地域への思いをアウトプットするワーク
参加者それぞれがそのテーマに関する地域の中での視点や思いを“棚卸し”するワークです。まずは一人ひとりが付箋に書くなどといった、個人ワークが想定されます。
「安心・安全なまちづくり」のテーマでいうと、子どもたちや高齢者の安全など、地域の中で被害に遭いやすい人たちへの眼差しはどうなっているのか?などを、参加者同士で再認識していきました。③は、どのような地域にしていきたいか?というビジョンづくりにつながる大切な部分です。
「ワークショップ」そのものに初めて参加する人もいることを視野に、いかにそれぞれの思いを書き出したり、発言できるかというファシリテーターの配慮について、特に意見が交わされました。
主な意見:
・完璧に書かなければならないのか不安になるので、思ったことを書いてよい、と言うとよい
・初めてワークショップをする人は、何をしていいかがわかりにくい。ファシリテーターなど進行する人と関係性ができていれば促しやすい
・「思いつかない人は無理せずに大丈夫。後の共有の時間にあとから追加してもいいですよ」と一言言ってもらえると安心
・子どもはいいが、大人は「何でもいい」が難しいときもあるので、例えば「自分が住みたい〇〇な地域ってどんな地域?」というような、要望や理想の問いかけをして、「実際にはどうですか?」と意見を言いやすいように導く手法もある
「そもそも意見が出ない」などの、“書くこと自体のハードルの高さ”と、書く内容の”求められているレベルがわからない”などの不安があることから、そうした不安を払しょくする声かけの大切さが皆さまの意見を通して浮かび上がりました。

④ワーク(出た意見)の共有
③で出たそれぞれの考えや思いを参加者同士で共有し、同じ気持ちを知り共感し合ったり、同じ地域でも他の人は違う視点で見ていることを知ったりと、参加者それぞれの地域に関する視野が広がる場面です。ここでの共有は、限られた時間の中で出た意見をどうまとめるかという切り口からの意見が多くありました。
主な意見:
・個人が書いた付箋を個人が説明しながら出していくと深堀りしやすい
・似たようなことを書いた人がいたら、申し出て付箋を出す
・事前に共有の仕方を伝えておくとスムーズ
・お菓子が出るなら、そのことも伝えておくと後に楽しみになるのでよい
⑤ワークの整理(グルーピング)
④で参加者全員の思いが棚卸しされ、可視化されたところで、それをまとめていく作業に入ります。「安心・安全なまちづくり」をテーマにした場合、今回は「安心」「安全」「不安」という場面ごとに、地域の中で感じることを参加者に共有していただきました。そうすることで、改めてその地域の良い部分や強み、そして課題などが「安心・安全・不安」という枠組みの中から浮かび上がります。そこで、「安心・安全なまちづくり」に向けて、どのような地域にしていきたい?という、参加者オリジナルのビジョンにつなげていきます。ビジョンにつなげていくための、意見集約の手法としてグルーピングを行うときのポイントについて、意見が出ました。
主な意見:
・グルーピング分けのカテゴリーを予め想定して準備しておくとよい
・一つの意見が出たら、ファシリテーターが「他にこのような意見を書いた人はいますか?」と投げかけて、ある程度まとまりを作っておくと時間短縮になる
・参加者に書いてもらう付箋を「安心」「安全」「不安」で色分けしておく
・今日のメンバーはできそうだが、地域でやると、想定通りにはできない。思ったことを表現できない人も多い
・参加者の発言を誰か(参加者やファシリテーターなど)が書き取っていくのがよい
・中学校区くらいのエリアで地域福祉保健計画策定に向けたディスカッションをするときなどは共通認識があるので、ファシリテーターが例示しなくても最初に発言した人に皆引っ張られると思う
・たくさん書いた人が勝ち!みたいなゲーム性にする。自分が書いた意見が「内容が薄い」などと思わないように
限られた時間の中でいかに効率的かつ参加者と丁寧にコミュニケーションをとりながらグルーピングするかが検討のポイントとなりました。ある程度予測したカテゴリーを事前に準備した上で、出た意見を分けていくという意見もありましたが、同時に事前のカテゴリーに引っ張られてしまうリスクがあるという意見も。カテゴリー分けを参加者自身が行う案については、参加者同士のコミュニケーションが活発になる一方、時間を要します。
意見を共有する段階で、ファシリテーターがカテゴリーに分ける作業を同時進行で行えば、意見を丁寧に聞きながらカテゴリー分けをすることができます。その際に「どう思いますか?」と参加者に投げかけながら、ファシリテーター一人の作業にならないような心がけが重要です。

その他の意見としては、
・ワークの終了後、今日のメンバーで「何かやろう」と思えるとよい。優先順位とすぐやれるものと2軸で整理すると、すぐやれるものから取りかかれる
・みんなが実践できるような、熱量が高いものを選ぶ
・運営側が地域の実情をわかっていると、この話ならあの人に声かけよう、と具体的な人が浮かぶ
・参加者の中でも意見をよく言う人が何度も同じことを言うと、同じ結果になってしまう
・そうした存在をファシリテーターにしてしまえばよい
などがありました。
地域住民向けのワークショップを開催する際には、発言しやすくするために心理的なハードルを下げることや、いざ付箋に自身の思っていることを書くとなったときに、いかに“書きやすく”するかなど、さまざまな工夫が必要です。ファシリテーターがたった一言添えるだけでも、その後の一人ひとりの参画の仕方が違ってきます。
一方、ファシリテーターに頼りすぎてしまう場になることは、参加者の自発的な参加意欲の低下につながることもあります。ファシリテーターが前に出すぎず、参加者自らアイデアを発信したり、参加者同士で意見交換がはじまるような場にしていくこともポイントです。

自分はこの地域の一員として暮らしている―。このような、「地域の中の自分」を再認識する過程も大切なことの一つで、今回、当センターが取り組んだ「課題解決のためのプログラムづくり」はそのプロセスにあるものです。住民一人ひとりが地域と再び出会うための“通り道”となり、通った人がそれぞれに地域との接点を持ち(あるいは自覚し)、日常生活を送ることができるような、そんなプログラムを目指しています。
いただいたご意見を今後のプログラムに反映させ、さらなる改善を図りながら、地域の中間支援団体やその職員の皆さまにご活用いただけるプログラムとなるよう、引き続き取り組んでまいります。
横浜市市民協働推進センターからの発信でお伝えしていきますので、ご関心のある方はお気軽にお問い合わせください。
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