市民活動(NPO)入門セミナー 開催レポート
8月16日(水)、市民活動(NPO)入門セミナーをオンラインで開催しました。
プログラム内容
第1部「NPOの社会的意義と設立に向けたポイント」
講師:伊吾田 善行(横浜市市民協働推進センター長/認定NPO法人市民セクターよこはま理事/国際協力NGO Act for Child代表)第2部「NPO法人制度の概要」
講師:横浜市市民局市民協働推進課NPO法人担当第3部 交流会 ~お互いを知ろう!~
1998年に「NPO法」が成立してから23年。今や全国に約5万、市内は約1500を超えるNPO法人が存在しています。社会にある課題に気付き「何とかしたい」と動き出した人たちが、その手段の一つとして自分たちの活動をNPO法人化することが増えているのも伺えます。
しかし、NPO法人として活動を続けていくには、これは企業運営などあらゆることにも共通して言えることですが、乗り越えていかなければならないことがたくさんあります。ましてや、思いは強くとも専門知識はなく、個人または少人数の仲間が集まって立ち上がることが多いNPO法人は、そのハードルが一層高く思えてしまいます。実際に、横浜市市民協働推進センターに寄せられる相談も、自分たちが取り組みたいこと以外の部分で壁が立ちはだかり、困っているというご相談もあります。それではせっかく立ち上がったNPO法人も続けることができなくなってしまいます。そのようなNPO法人が少しでも減るよう、NPO法人化を検討していたり、法人化したが運営面で悩んでいる団体を対象に、NPO法人の社会の中の位置づけや、その意義について今一度考える「入門」として、今回のセミナーが企画されました。
第1部「NPOの社会的意義と設立に向けたポイント」では、横浜市市民協働推進センター長の伊吾田から、NPOの社会的役割や可能性、設立に向けての準備や心構え、ステップなどの話がありました。
理想とするNPOとして「具体的な成果を出す」「みんながリーダーとなり、民主的な運営をする」「グラスルーツ(草の根)から社会を変え、日本社会において市民の影響力を強める」ということや、具体的な心構えとして、ベース編(シチズンシップ)、MVV編、中長期計画編、体制編、事業編、会計・労務編、広報・資金調達編、継続・解散編、協働編、さらに設立までのステップなど、立ち上げ時に抑えておきたいポイントが、その理由とともに話されました。
活動を続けていく過程では、活動に集中しすぎるあまり最初に抑えたポイントや心得、ビジョン・ミッションからいつの間にか離れてしまうことも少なくありません。類似団体を調べて参考にしたり、中間支援を通して連絡会や協議会に参加したり、また、協働の視点を持つことも、活動を社会に広げたり、自分たちを客観視できたりと初心に立ち戻るのに有効であることなどが説明されました。
第2部では「NPO法人制度の概要説明」が、横浜市市民局市民協働推進課のNPO法人担当髙橋さんより説明されました。
NPO法成立の経緯とともに、市民活動の法人格取得がどう推移したかといった歴史的背景から、NPO法人の設立にあたり具体的にどのような手続きが必要なのか、そのための要件などが順序立てて話されました。
NPO法人化した後も、引き続きやることがたくさんあります。というのも、社会的意義のある活動をしていることが条件なので、社会に住み暮らす皆さんの信頼を得ながら活動をしていくことになります。信頼とは、ていねいな情報公開により活動を皆さんに把握してもらうことにより得られます。だからこそ「NPO法人の義務」が、手続きの上でも大切だということ。NPO法人化することによりどのようなメリットがあるのか?どのような義務が発生するのか?よく理解した上で、法人化を検討しましょうという説明が、手続きを実際に行う市民協働推進課だからこその視点で話されました。
髙橋さんは、NPO法人への関わり方として、関心のある活動に参加してみたり、寄付をしたり、事業報告書などを閲覧して活動を知るところからも始められる、と紹介しました。
講義の後は、グループに分かれて交流会を行いました。これから活動を始めようとしている人や、任意団体として活動している人、NPO法人を運営している人など様々な背景、分野の参加者が思いを共有しました。
「思っていたよりも大変ということがわかった」「仲間と話し合うことを改めてしてみようと思った」という感想や、それぞれの立場から現状や活動内容が共有されました。
今回は「入門」でしたが、引き続き「市民活動基礎セミナー」が9月から11月にかけて3回連続セミナーとして開催予定です。横浜市市民協働推進センターからのお知らせをご確認ください。