横浜市市民協働推進センター

取り組み紹介 【開催レポート】令和6年度 「市民協働相談会」 Vol.2 ―地域でつながり、まちを元気に~こども園の地域連携事例から学ぶ~―

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2024.11.11 市民協働相談会 イベントレポート
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令和6年度 「市民協働相談会」 Vol.2 開催レポート

9月2日(月)、『令和6年度 「市民協働相談会」 Vol.2 ―地域でつながり、まちを元気に~こども園の地域連携事例から学ぶ~―』を開催しました。

開催概要
【日 時】2024年9月2日(月)15:30~17:30
【場 所】横浜市市民協働推進センター スペースAB
【協働コーディネーター】
     原 美紀 氏(認定NPO法人びーのびーの 事務局長)
【ゲスト】
     石井 雄輝 氏(関東学院のびのびのば園 地域連携専任教諭)
     三谷 大紀 氏(関東学院大学教育学部こども発達学科 准教授)

今回の市民協働相談会では、「こども園を含む地域の様々な主体がつながり、一緒に取り組む機会を増やし、あたたかいコミュニティを築くために何ができるのか」ということを、ゲストや協働コーディネーターを交えて一緒に考える機会となりました。
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まず、関東学院のびのびのば園で地域連携専任教諭*をしている石井雄輝さんより、こども園の紹介や他の幼稚園・保育園、地域のケアプラザとの協働、自治会との連携、企業との取り組みなどについてお話がありました。
(*子ども園と地域を繋ぐ連携事業を担当。園長や主任が兼任していることが多く、「地域連携」を担う専属の職員を配置している園は稀である、とゲストの方からお話がありました。)
のびのびのば園がある港南区は人口約21万人で、そのうち65歳以上の割合は約30%。その中でも野庭地域は約2万人の人口に対して約38%が65歳以上と、高齢化率が区全体よりも高い推移となっています。そして横浜市最大の野庭団地があり、市営住宅と分譲団地が隣接している地区であるため、団地内をつなぐ緑道があったり、団地内にショッピングセンターがあったり、公園が多かったりと園にとっても子どもを育てやすい環境が整っています。
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関東学院のびのびのば園 地域連携専任教諭の石井雄輝さん

石井さんが地域連携専任教諭になった時に初めにしたことが、「まちを歩く」ことだったそうです。そんな中、地域の地区センターを訪れた際に、「地域に子どもの居場所が足りない」ことに気づきました。そこで、定期的にこども園の一部を開放することで、地域の子どもたちがのんびりと過ごすことができる場に加え、1食100円の給食も提供し始めたそうです。このような活動を周知していく中で、地元自治会の方や、行政、企業、団体等との出会いも増えていったと語る石井さん。
その他にも、子どもの数が減っている中で、競争相手と捉えがちな他の園と共催で、地域ケアプラザを利用して子育て世代向けのイベント・交流会を開催したり、自治会が行っている野庭中央公園内にある花壇の球根植えに園児も参加することで、園児と地域の人との顔の見える関係の構築や地域活性化につなげたりしてきました。また、無印良品の協力により、園児によるエコバッグの作成を行ったり、店舗へ完成したエコバッグを展示したりするなど、異なるセクターとの連携・協働の事例がたくさんありました。

続いて、関東学院大学教育学部こども発達学科准教授の三谷大紀さんより、石井さんの実践経験から学べることを交えながら、「園と地域の関わりを考えるうえでの2つの視点」についてお話しいただきました。

視点の一つ目は、「子どもの遊びや園の保育に地域を活用する」という視点です。石井さんの実践報告に、自治会が行っている野庭中央公園の花壇の球根植えに園児も参加したというお話がありました。このように、地域を保育環境とすることで、園外の多様な人やモノと出会い、探求が深まっていったり、園児が暮らしている地域に親しみを持つ機会となったりすることに繋がります。
二つ目に、「子どもの存在や園自体が地域の人々を繋ぎ、地域を活性化していくハブ(拠点)になる」という視点です。石井さんからも、園を地域の子どもたちに定期的に開放し給食も提供しているというお話がありましたが、そこでは回を重ねていくごとに、地域の大学生がボランティアとして活動をサポートするように発展していったそうです。このように、地域の「縁側」になることで、地域の人たちが子どもに親しんだり、知ったり、子どもの育ちや子育てに参画できたりする機会にもなります。
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関東学院大学教育学部こども発達学科准教授の三谷大紀さん

また近年、「子どもの声がうるさい、園の存在が迷惑」という意見が全国的に地域住民から上がっている件については、「子どもに関わることがなかった人たちが一方的にそう感じやすい」と見解を述べる三谷さん。上記のような2つの視点を進めていけば、子どもや園への理解が深まり、子どもが育ち、親が子育てしやすい地域づくりに繋がっていくのではないでしょうか。
他にも、持続可能なつながりのためには、「ゆるさ」と「ゆとり」が重要であることや、「対話」の本質は「話す(伝える)こと」ではなく「聴くこと」であること、「対話」は「異質性」を尊重することという点についても三谷さんにお話しいただきました。

今回の参加者からは、「地域連携に興味がありつつも、そこに至るまでの道のりが遠く感じる」「自治会町内会ともどのようにつながることができるのか」「主体として活動してくれる人材を見つけることが難しい」「地域の企業にも主体として地域づくりに参画してほしい」というような質問や悩みが事前に寄せられていました。
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しかし、これまでのゲストの実践話や講義、グループワークや相談会を経て、「地域とつながる方法のヒントを得ることができた」「こども園と地域がつながることでまちが元気になるということを理解できた」「グループワークで他の参加者と励まし合うことができた」など、相談内容や悩みが解決したり、今後の活動にやる気がでてきたりするなど、前向きな感想を参加者からいただきました。

今回の市民協働相談会にご参加いただいた中には、園の関係者や市民活動団体に所属されている方々だけでなく、地域ケアプラザや行政、自治会、企業など多様な所属の方々もいらっしゃり、様々な業界で関心の高いテーマなのだと感じられました。
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また、今回協働コーディネーターとして登壇してくださった原美紀さんは、地域子育て支援拠点「どろっぷ」の運営団体でもある「認定NPO法人びーのびーの」の副理事長・事務局長を務められています。子育てや居場所づくり、地域のつながりなどをキーワードに活動されているご経験から、当事者の目線で会場を巻き込みながら盛り上げてくださいました。
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協働コーディネーターの原美紀さん

こども園の地域連携専任教諭である石井さんの内容には、地域とつながることや連携について非常に多くのヒントがちりばめられていました。そしてこれらを上記のような多様な所属の方々にも共感していただき、ヒントを持ち帰っていただけるように、三谷さんや原さんがこども園の事例を切り口に、話を整理したり、一般化したりしながら相談会を進めくださいました。

今後も皆さまに役立つイベントやセミナーを実施していきます。当センターが主催するセミナーやイベントの情報は、随時HPやSNS、メールマガジンに掲載しております。今後も皆さまのご参加をお待ちしております。

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